ネット印刷のサイトにいくと、用紙の選択画面で「コート90」や「コート90kg」などと表示されているのを見かけます。
さらには「コート90k」という表記だったり、または「コート」と「90kg」と分けて選択できたりするところもあります。
これは何を表しているのでしょうか。
まず、「コート」というのは紙の種類です。
そして、「90」や「90kg」というのは紙の厚さを表しています。
印刷を依頼する際には、この紙の種類と紙の厚さを指定して注文することになります。
・・・あれ?
紙の厚さなら単位は「mm」じゃないの?
「kg」は重さに使う単位だよね?
うむ。なぜ「kg」かというと、kgの数字はその紙の1000枚あたりの重さを表しているんじゃよ。
kg数が大きいと紙は厚くなり、小さいと薄くなるんじゃ。
博士、その「紙の種類」と「紙の厚さ」について教えていただけますか?
用紙の種類
用紙の種類は「コート紙」「マット紙」「上質紙」について説明します。
コート紙(光沢紙)
表面がつるつるしていて光沢があります。
また、特殊な薬品が塗られていて、発色が鮮やかに印刷できます。
写真が綺麗に印刷できるので、食べ物の写真を使う飲食店などではコート紙が向いています。
価格も一般的に安いです。
用途は折込チラシ、冊子の表紙、ポスターなど幅広く使われます。
コート紙のデメリットとしては、鉛筆やボールペンなどで書き込みづらい点です。
そのため、申込書が付属しているなど、何かを書き込む予定がある印刷物には向いていません。
マット紙(マットコート紙)
コート紙よりもツヤを消した加工が施されており、表面はサラサラした感触です。
指紋なども目立ちません。
ツヤがない分、控えめで落ち着いた雰囲気があるので、高級感のあるヘアサロンやバー、または会社案内などに向いています。
用途はコート紙と同じく、折込チラシや、ポスター、冊子の表紙などに使われます。
彩度についてはコート紙に比べて若干落ちます。
上質紙(普通紙)
一般的なコピー用紙と同じような質感の紙です。
表面に何もコーティングされていないため、発色は劣ります。
そのため、写真は色が沈みやすいですが、光を反射しないので文字が読みやすい長所もあります。
写真が少なく、文字情報の多いチラシや書籍などに向いています。
上質紙は鉛筆やボールペンで書きこみやすいという特徴があります。
ですので、アンケート用紙や、申込書などの書き込みが必要なチラシなどに向いています。
紙の厚さ
基本的には紙が薄いほど価格は安くなっていきます。
ただし、印刷会社のなかにはよく使われる「コート90kg」が一番安くなっているところもあります。
厚さはお店のイメージや目的とマッチさせる
紙の厚さは、お店のイメージや目的に合ったものを選びます。
例えば、スーパーのチラシは薄いですが、これは高級感を出す必要が無いからです。
薄いほど一般的に価格は安くなりますので、大量印刷するのにも向いています。
逆に高級マンションのチラシでは、厚手の紙を使うことで信頼感を高めます。
また、クーポンなどがついているチラシでは耐久性が必要なため、これも厚みが必要です。
紙の厚さのイメージ
紙の厚さによって用途が異なってきます。
下記はコート紙の場合でのおおよそのイメージを紹介します。
53~73kg
新聞の折込チラシのような薄い紙質です
90kg
一般的な折込チラシより少ししっかりしたチラシにしたい場合に適しています。
漫画雑誌の表紙に使われていることが多いです。
110kg
会社案内や映画のパンフレットなどに使われます。
135kg
ファッション雑誌の表紙、ポスターや商品パンフレットなどに使われます。
180kg
名刺やポイントカード、ポストカードなどの厚さです。
コートとマット、どちらにしようか迷っています・・・
最後は好みによるところもあるからのう。
印刷会社によっては無料サンプルをくれるので、取り寄せて実際に見てみるのも手じゃぞ